森づくりを考えるためには、その主役となる樹木について知ることが不可欠です。

森づくりは、森林全体の動きを制御することだと考えがちですが、そうではありません。それは、あくまで結果です。森づくりとは、その結果を予測して(心情としては期待して)、樹木個体を植えたり、樹木個体を除去したり、あるいは樹木個体が侵入・定着しやすい環境を整えたりする行為なのです。

したがって、森づくりでは樹木と向き合うことが大切になります。その向き合い方の一つが樹木という生き物について知ることであり、もう一つが樹種を見分けられることです。

森林は、そこに生育する樹木個体の成長と、個体間の相互作用(多くの場合は競争)の結果を受けて変化していきます。私たちが森づくりでしていることは、特定の個体の成長を促すために、個体間の相互作用を調整することだけです。