このサイト「森づくりの技術」は、森づくりに関わる人が困ったときの手助けをしたいと思い、開設しました。
今この文章を読んでくださっている人は、森づくりに関する何かを調べたいと、パソコンやスマホで検索してこのサイトを訪れ、このページを見つけてくださった人だと思います。
そのときの検索ワードは、何だったでしょうか。どんなことに困って、また、どんなことを知りたいと思ったのでしょうか。
森づくり(お堅く言えば森林管理や森林施業)は、このサイトのあちこちで触れいているように、生き物である樹木の生活や成長を制御することに他なりません。と言っても、育てる対象の樹木個体(育成木と言うことにします)に直接的な手を加えることは、ほとんどしません。私たちにできることは、不要なものを除去することで、育成木が育ちやすい環境を整えることだけです。後は、育成木が自分の力で育つのを待つだけです。
森づくりの作業は、作業が完了したときがスタートです。結果が現れるまでには、その後の数年間、あるいは十数年間、ときには数十年間を待たなければなりません。
その未来を予測するからこそ、今の作業があるのです。そう、森づくりでは未来を予測する力がとても大事なのです。
その力を身に付ける第一歩は、科学的知見を持つことです。経験に科学的知見が加わったとき、それは森づくりを支える大きな力となるはずです。それを根拠に、合理的な判断をする。これが、目指すべき森づくりの姿だと信じています。
しかし残念ながら、今の日本の森づくりには、こうした視点が欠けていることが多いと感じます。
私は、長年にわたり森づくりに関する研究や教育に携わってきました。研究者としての情報発信、教育者としての人材育成に努めてきましたが、2021年3月に定年を迎え、職を退きました。
自身が持つ森づくりに関する知見を多くの同志に伝えたい。このサイトの情報が同志の役に立つことを願っています。