森づくりの技術は、これまで、個別技術を組み合わせて技術体系を構築することを目標にしてきたきらいがあります。もちろん、それは大事なことではあるのですが、それを過信すると画一化という弊害を招きます。

森づくりは、本来、多様なものであるはずです。対象(現場)が多様であり、目的が多様であることを考えれば、それは自明です。しかし、技術が多様だとしても、それは無条件な拡散的なものではないはずです。

森づくり技術の根幹は、生き物としての樹木やその集団としての森林の基本的な振る舞いを制御する技術です。それは、普遍的な技術とも言えます。その存在の上に、現場や樹種などに応じた応用、いわば地域性や特殊性に対応する個別技術があります。

以下では、その技術をトピックス的に紹介していこうと思っています。ただ、その準備が滞っています。まずは、2020年に鹿児島大学とのプロジェクトで作成した(自分が執筆した)針葉樹人工林施業の教本もどきを紹介します。